G1Climax ジェイ・ホワイト ジュース・ロビンソン

ジェイ・ホワイトの才能には底が無い?彼は絶対に他所に出してはダメ。ジュース戦で見せた”凄さ”を解説させて

G1 Climax29 8.8 横浜文化体育館のセミファイナル、ジェイ・ホワイト vs ジュース・ロビンソン

この日のメインイベントは、

これぞ意地と意地のぶつかり合い

これぞ石井智宏

これぞ鷹木信悟

という試合内容で、最高に熱くなれる、もう一度観たくなる試合だ

だが、この日のセミファイナルはメインと違いゾクゾクする試合でこれもまたもう一度観なければならない

 

上のツイートでも書いたが、とにかくジェイ選手のプロレスの才能に惚れ惚れする試合だった

先に書いておくが、ジェイ・ホワイトこそ新日本プロレスの未来である。

今日は二人の試合内容よりジェイ選手のここが凄い!という部分を書かせてもらいたい。

※主観もたたあるのでコメントで、ここも凄いだろ!というところを教えて貰えるとありがたい。

興行単位から単発1試合の”どのスパン・期間”でも、”起承転結”のあるプロレスを構成してくる

まずは、興行単位から単発1試合単位のどのスパン・期間でも、起承転結をあるプロレスを構成してくれる

ここでいう、興行単位とは、”レスリングどんたく”や”Destruction”など冠がついて1か月ほど全国を旅しながら試合を行っていくことを指す

そして単発1試合とは、G1 ClimaxNew Japan Cupなどの1つの公式戦を指す。

ジェイ選手の試合は、これらどのスパン・期間でも起承転結がしっかりとしたプロレスを見せてくれる。

 

まずは興行単位の長期スパンでの話をしよう。

ジェイ選手が絡む興行は勝っても負けてもハッピーorバットエンドの納得感があり、物語の起点としてにいつもいる。

その証拠に2018年のストーリー起点は常にジェイ・ホワイトだった。

そして2019年も2月そうそうに棚橋選手に挑戦表明してIWGPヘビー級に挑戦し初戴冠した。

3月の旗揚げ記念日では、オカダ・棚橋・後藤・飯伏が出てくる謎の画になりつつも何かを感じさせられる。

そして4月のMSGでは「俺のお陰でチケットがSoldoutした」と言い切り、メインイベンターとして最終入場してきた。

そう、常にベルト戦線のメインストーリーに絡み、その1つ1つが重要な物語となっている。

 

また単発1試合ならば新日本プロレスで圧倒的に面白い試合をしてくれる。

確かに石井選手EVIL選手など1試合1試合は熱くなれるし面白い

ただストーリーという点に着目すると、ジェイ選手の右に出るものはいないのではないだろう

8.8 横浜文化体育館のセミファイナルも圧巻の一言だった。

試合序盤~中盤から執拗なヒザ攻めを敢行してジュース選手を攻め立てる。

試合終盤、ジュースがパワーボムからの抱え込み式逆エビ固めを決めると、中盤まで攻めていたヒザを攻めて逆エビを切り抜けるのだ。

序盤~中盤のヒザ!ヒザ!ヒザ!がここで効いてくるのか!と唸ってしまった。

そして最後はお決まりのダーティファイトからのJTO(ジュース・タップ・アウト)でここでもヒザに繋がったのだ。

ジェイ選手のプロレスの構成力に脱帽してしまった。

間違いなく試合の構成力でいったら、新日本プロレスで随一の凄さである。

足りないものは即座に補う対応のスピード

足りないものはどんどん補う。それも超スピードで補う。

これもジェイ選手の凄さだろう。

凱旋帰国しての2018年はブレード・ランナーのフィニッシュホールド主体で戦ってきた。

主観的だが、このブレード・ランナーは一撃必殺のカウンター技としてみている。

これでケニー選手、オカダ選手、棚橋選手と次々と強敵を倒していった。

だが、2019年のMSG以降、他の選手に対策がされてしまい思うようにブレードランナーが決まらなかった

記憶に新しいがG1 Climax29開幕戦で後藤選手にブレードランナーを完全に読み切られて敗北を喫したのだ。

悪い流れは続き石井選手にも真っ向勝負で負けてしまい、ダメ押しの矢野戦での取りこぼし。

そこで出たのが、ブレードランナーを自分から仕掛けられる技に昇華できないのか?という点だ。

星取表でいきなり窮地に立たされてしまたのだ。

なんとか4戦目のジェフ・コブ戦との試合を制したが、どうもSSSから繋ぎだけでは弱い。

そう思った矢先の第5戦の鷹木慎吾戦で魅せた新技クロスアーム式のブラディ・サンデー

この技を見て、私に電流が走ったよ。

そこからブレードランナーの繋ぎはもはや芸術の域に達している。

今までカウンター気味のフィニッシュホールドが、たった一つ繋ぎ技を入れることで今まで技がここまで説得力を持たせることができるのか、と言葉を失ってしまった。

G1 Climax中の期間中に足りないものがあれば、即座に補うスピード感。

そして、それを長年使ってきた技のように自然かつ鮮やかに繰り出すことができるのが、これもまたジェイの凄さの一つだろう。

「良い試合だった」と言わせない徹底したヒールっぷり。心をかき乱す天才。

そして最もジェイ選手の性能は、決して「良い試合だった」とは言わせない徹底したヒールっぷり。

そう、心をかき乱す天才なのだ。

8.8 のジュース戦もそうだ。フィニッシュをJTO(ジュース・タップ・アウト)に決めてヒザ!ヒザ!ヒザ!の怒涛のヒザ攻め。

ファンの多くはしっかり試合を組み立てるな

さすがいい外国人同士で、どんな試合の結末になるの?

と半ばジェイ選手のレスラーとして凄さを認めようとした矢先、なんとこの試合には不必要なイスを持ち出したのだ。

最後はずっと攻めていたヒザに対して、イス攻撃を一発とJTOでギブアップで勝利。

ダメ押しのブレードランナーを決めて、横浜文化体育館をブーイングの嵐にしたのだ。

外道選手の介入・イス攻撃がなくても十分魅せれる試合ではなかったか?

それなのにも関わらず終盤の最後の詰めでみせたダーティな攻撃。

 

この試合を観て、「ジェイっていい選手だなぁ」、「カッコいいしファンになりそうだ」と感じた人をいたのではないか?

そんな人たちを一瞬で裏切るジェイ選手の徹底したヒールっぷり。

そう試合の後味の悪さという点においては新日本プロレスで右に出るものはいないだろう。

 

後味悪くて最悪じゃんと言われるかもしれないが逆に考えよう。

心を一番大きく揺さぶってくるレスラーがジェイ・ホワイトということを証明してしまっている。

心のシコリ蟠り(わだかまり)むず痒く心地よい人からすれば大好物である。

別の見方をすると、ジョイ選手のアンチからすると一気にマイナス方向に心理状態もっていかれている。

プロレスの楽しみ方の1つに、私は心・感情の振れ幅が絶対にあると考えている。

大好きな選手が勝って嬉しい!

熱い試合を観て感動した!

嫌いな選手が負けた、ざまぁみろ!

これらの中の1つに、

なんて最悪な結末なんだ!

という感情あってもいいのではないだろうか?

こういったマイナス方向に心が揺れ動いていることを加味すると娯楽としてプロレスが成立している。

ただジェイ選手のマイナス方向の心の揺さぶりは、なんとも形容し難い「グニャっと」かつ「ドロッと」した他の選手にはない特殊な感情だ。

これこそがジェイ・ホワイト選手の唯一無為の才能だと私は考えている。

マイナス方向ではあるが人の感情を動かせるレスラーだからこそジェイ・ホワイトは一流なのである。

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