イッテンヨンにインターコンチネンタル王座に対戦カードが発表された。
チャンピオン”ジェイ・ホワイト” vs チェレンジャー”内藤哲也”だ。
対戦カードとして見た場合はメインイベントに匹敵する超強力なカードであることは間違いないが、なぜ内藤哲也が挑戦できるのかについてはクエスチョンマークしかつかない。
誰の目から見ても挑戦する資格がないからだ。
内藤ファンの私が超ひいき目に見ても、なぜ内藤哲也がこの4人の中にいるのかが分からない。
震え声で、「会場人気」とか「グッズ売り上げ」というリング上においては実に抽象的な反論しかできない。まぁ重要な要素であることには間違いないが。
迎えた11.5の第2弾記者会見も内藤ファンからしたら見るに堪えない会見だった。
内藤「待ってるだけじゃチャンスは訪れない。自分から掴みにいかなきゃ、絶対にチャンスなんか訪れない。周りにどう思われるか? そんなことよりも一番大事にするべきなのは、自分の気持ち。俺はジェイ・ホワイトにリベンジしたい。ジェイ・ホワイトに俺の野望を横取りされたくない。だから、名乗りを挙げました。
1月4日はジェイ・ホワイトとインターコンチネンタル王座だけをみてリングに立ちたいと思います。そして、1月5日、インターコンチネンタル王座とIWGPヘビー級王座を同時に保持する、この史上初の男になってみせますよ」出典:新日本プロレス
何ともスターダストな発言をしたなと感じた。
この件については私の中で回答が出ているので別の機会に記事にしたいと思う。イッテンヨンまで2か月近くあるのでタイミングは別にある。
反対にジェイ選手は雄弁かつ知的にコメントを残していた。
ジェイ「何度も言ってきたが、そもそも東京ドームでナイトーとIWGPインターコンチネンタル戦をやるべきではない。ナイトーにはその資格がない。なぜなら、すでに俺はナイトーに2回も勝ってるし、大阪でナイトーがタイチに勝ったぐらいで挑戦できることに全然理解できない。
ナイトーはリマッチだって言うかもしれないが、『G1』ですでに俺が勝ってるからそのリマッチ権も消滅してるし、そもそもリマッチ権って言うんだったら、俺の力でソールドアウトにしたマディソンスクエアガーデンでベルトを落とした俺にもオカダへのリマッチ権があるはずだ。だが、そのリマッチ権はいまだに俺に与えられてないし、クリス・ジェリコがいきなりオカダに挑戦したり、俺はまったく納得していない。どう考えても、俺がIWGPのナンバーワンコンテンダーのはずだ。」出典:新日本プロレス
さすがのジェイ選手だ。何もいうことがない。
私はこの会見をみてある一つの会見を思い出してしまった。
2017年のインターコンチ戦で放った言葉がそのまま特大ブーメラン
それは2017年のイッテンヨンのインターコンチ戦の事前記者会見だ。
対戦カードはチャンピオン”内藤哲也”とチャレンジャー”棚橋弘至”である。
会見自体がめちゃめちゃ長いので要点を絞って説明する。
- 11月大阪で棚橋が内藤に挑戦表明。
- 挑戦表明した大阪で棚橋は「東京ドームのメインに立つ」宣言
- ここで新日本プロレス、ファンの空気感は「ファン投票やるか?」となる
- ただ内藤は「ファン投票はNo。ドームのメインはIWGPヘビーであるべき」と主張
- 挑戦表明した時に「ドームのメインに立つ」って言ったことは、「ファン投票やろう」と同義
- 内藤は「棚橋が会社にファン投票をお願いすれば通る」「過去に言った、”新日本は棚橋の言いなり”が証明される」
- 棚橋はぐうの音も言えない
まぁこんな感じの会見である。
カンペまで用意してニタニタしながら棚橋選手をこき下ろす姿はやはり爽快だったと記憶しており、内藤哲也というブランド価値を見せつけた印象的な会見だ。
そう、まんま2020年のイッテンヨン東京ドームの記者会見と同じではないか?
ジェイ選手のコメントに何も反論することが出来ない内藤選手は、デジャヴのようだった。
そしてあの時発した言葉が
内藤がお願いすれば通る、新日本は内藤のいいなり
そのまま特大ブーメランとして突き刺さっている。
あの時の自分自身が作った空気感を後輩レスラーにやられるなんて、皮肉であり屈辱的である。
ノーコメントの理由は反論したらボロが出るからだよね?
ただ、内藤選手がノーコメントの理由。
内藤が本気になった!という意見が多いと感じるが、私的には何かしゃべったらボロが出る。これが一番シックリくる。
今は必要最小限のことをコメントを残して、武器をしっかり作るべきフェーズだろう。
今トップ4人の中で一番立場が弱いのだから、何か発言したら総叩きにあうだけである。
人の矛盾点を指摘して民意を集め、時代の波に乗った内藤選手だけに、今この瞬間の反論はむしろ自分に傷を大きくするだけだろう。
私も仕事でこういう経験があるが、自分が弱い立場にいる時に何を言ってもダメである。
むしろ発した言葉をつつかれて立場はどんどん弱くなっていく。
こういう時は必要最低限、要点を縛って自分の武器を用意し磨くことが重要だろう。
その点でいえば昔のスターダスト時代の時のように、無意味な反論を繰り返さずにノーコメントを貫くっていう姿は、また新しい内藤哲也なので私からしたら嬉しい限りだ。
唯一使った”必ず”という言葉
内藤選手が最後の最後にこだわったのが言葉である。
そしてその中でも特に注意を払って使っていたワードが「必ず」だ。
「昔はよく使ってましたけどね。ただ『必ず』って言ってそれが実現しなかったら、聞いた人を裏切ったり、うそをついたことになる。簡単に使う言葉じゃないなって思ってやめたんです。でもあの時だけは、その言葉を使わないと自分の思いを表現できなかった。プロレスの会場ではあの1回しか使ってないはずです…多分。あ、もし他にどこかで言ってたら、その発言、消去しておいて」
出典:東スポ
口数少なくなった内藤選手がキーワードになることは間違いない。
2018年に撒いておいた種”必ず”が果たして実るのか?逆転の内藤哲也に残されたものはこれしかない。