G1Climax ザック・セイバー・ジュニア 棚橋弘至

棚橋がまずは1勝目。”迷子終了”と”ストロングスタイルの呪い”を発したことはエモいよね

G1 Climax29 7.18 後楽園ホール大会、棚橋弘至vsザック・セイバー・ジュニアの試合が行われた。

どちらも開幕2連敗で、この試合を落とせば自力での優勝決定戦へ進むことが出来なくなるため、どちらも負けられない。

今年の戦績は1勝1敗と五分であるが、やはりグラウンド合戦だとザック選手が圧倒的に有利だろう。

 

しかし、試合を観てみると棚橋選手がグラウンドでしっかりザック選手についていっているではないか。加えるならばグラウンドで負けている部分をパワーで上手いこと補っており、ジリジリとザック選手にある主導権を丁寧に手繰り寄せている印象だった。

痺れを切らしたザック選手がエルボースマッシュやキックに攻め手を転じてくると、エルボーの押収やドラゴンスクリューでいよいよ棚橋選手がペースを握っていく。

最後はハイフライアタックとハイフライフローでフィニッシュに持っていこうとするが、ザック選手の意地で剣山でハイフライフローは死守する。ザック選手が意地の三角締めを炸裂させるが、ジャックナイフ式のエビ固めで3カウント。経験値の差を見せつけた素晴らしい試合だった。

 

このブログでは基本的には試合の流れや試合のここを観ろ!というような記事の内容にあえてしないように心がけている。

ただ、今回の試合があまりに鮮明に試合の内容を思い出せたので敢えて書いてしまった。

それくらい一試合の中で起承転結が綺麗でまた芸術性に富んだ試合だったのではないだろうか。

今まで模索していたスタイルはストロングスタイルなのか?

ザック選手との試合が、棚橋選手がここ最近模索しているプロレスなのではないだろうか。

派手なハイフライ技冷や汗ものの危険技を一切使わなくても試合を組み立てて盛り上げることが出来る。

今までやりたかったことはスタイル、棚橋弘至色のストロングスタイルのなのではないだろうか?と私は考える。

 

ただ、2009年の棚橋選手は「ストロングスタイルの呪い」と言って中邑選手を否定していことがある。

時は流れて2019年現在はその呪いに苦しんでいるのは棚橋選手自身のように見えた。

ストロングスタイルの呪いと棚橋弘至が伝えたかったこと

棚橋選手がバックステージで以下のコメント残した。

あぁ〜。古くて、新しかった。~中略~。本当に今日は新鮮だった。迷子終了。こんなにも、こんなにもピュアな気持ちで試合したのは、初めてとは言わないけど、凄い久しぶりだ。もしそこに『ストロングスタイルは呪いです』と言った、言ってしまった棚橋、以前の棚橋がいたとしたら、“ストロングスタイル”はどこかにあるのかもしれないし、ひょっとしたら“ストロングスタイル”は、海の向こうに生きてるかもしれない!(笑顔で)

参照:新日本プロレス

棚橋選手が「ストロングスタイルの呪い」の言葉は、あの時代には不要だったという思いからの言葉だろう。

その当時に何が正しかったのかは分からない。この言葉がきっかけで、新日本プロレスが今よりもっと発展していたかもしれないし、終わっていたかもしれない。そんなことは分からないし、どうでも良いだろう。

 

ただ、今この言葉を使ったことが最高にエモいじゃないか。

また「海の向こうの生きているかもしれない」という言葉を添えているあたり、棚橋選手の情緒があり素敵じゃないか。

元々自分が否定していたことを2019年の棚橋選手は実現しようと少しずつ形にし始めている。

ニュージャパンカップでもMSGでもドミニオンでも何かを模索しようとしている印象はずっと受けていた。

それこそ、自らにストロングスタイルの呪いをかけているようだった。

そして何回も迷って迷って迷って、それこそ迷子になっていたのだろう。

 

昨日のバックステージコメントまで「ストロングスタイル」という言葉は使っていなかったが、昨日は自信をもってこの言葉を使っていた。

コメントからも現れている通り、やりたかったプロレスが出来て大満足なのだろう。

ケガの調子も良さそうときて、新ストロングスタイルという新たな棚橋弘至。2連敗と後がないが残り6試合十分に楽しみたい。

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