久しぶりのビジネス系記事。
今回はタイトルにもしたが「ジェイ・ホワイト」選手について書かせてもらいたい。
稀代のヒールレスラーとして2017年の凱旋帰国以降の活躍は言うまでもない。
ただ、なぜジェイ・ホワイト選手は会社から推されているのか?
外道選手と一緒にいるから?
そんなチンケな理由ではない。
これについてビジネス視点で勝手に解説させてほしい。
棚橋弘至もジェイ選手を認めている
まずはNumber Web版で公開された棚橋選手のインタビューを紹介しよう。
ジェイ・ホワイトは新日本を変える。棚橋弘至が認める、本物のヒール。
棚橋「ジェイ・ホワイトは運動能力が高いのはもちろん、若いのに自分のプロレスに信念を持っていて、あえて新日本プロレスのトレンドとは逆方向を走ってますよね。オールドスクールな憎憎しいレスラーというか。で、あの若さであのビジュアルじゃないですか。ちょっとヤバイですよね」
棚橋「でもね、ファンも次第に気づきますよね。『コイツ、うまいな』とか『技術があるな』って。もちろん本気で嫌ってるブーイングもあるんですけど、アイツが自分で勝ち取ってるブーイングもありますね」
参考:Number Web版
あの棚橋選手がジェイ選手を認めている。
2018年後半から2019年イッテンヨンまでイデオロギー抗争を繰り広げたケニー選手にはネガティブな印象を綴っているが、
ジェイ選手にはそういった考えはなく、むしろ認めている。
新日本プロレスがIP企業として提供できていること。
では、次に現状の新日本プロレスがIP企業として提供可能な商品・サービスを整理しよう。
今回は魅力的な選手を新日本プロレスのリングでマッチアップ、魅力的な選手をファンに提供できるという点にフォーカスする。
販路、広告媒体、ビジネスパートナーを持っているという点は除外させて欲しい。
新日本プロレスが提供できる商品は以下である。
- 生え抜きからスター選手育成(棚橋弘至、内藤哲也、中邑真輔)
- 20代の圧倒的なスターを育成(オカダ・カズチカ)
- ヤングライオンから個性あふれるレスラーを育成(EVIL、高橋ヒロム、SHO、YOH、田口隆祐、矢野通、後藤洋央紀、YOSHI-HASHI、エル・デスペラード)
- 他団体からスターを連れてくることが出来る(鈴木みのる)
- 余所から連れてきた選手をスター選手に育成(飯伏幸太、ウィル・オスプレイ)
- 中堅どころの選手引き抜きスター育成(タイチ、SANADA、鷹木信悟、ザック・セイバー・ジュニア、石井智宏、石森太二)
- 外人の即戦力の選手を連れてこれる(クリス・ジェリコ、ジョン・モクスリー)
- 外国人ヤングライオンからトップレスラー(ファレ、タマ・トンガ)
- 業務提携団体から魅力的な選手を連れてこれる(ジュース・ロビンソン、ドラゴン・リー)
- 魅力的な若手レスラー(川人拓来、岡倫之、海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也)
などなどスーパースター、個性あふれるレスラーの在籍と有名レスラーをスポットで参戦させるだけの交渉力があるのだ。
新日本プロレスの投資価値
つまり魅力的なレスラーが多数在籍し、外からも引っ張ってこれる。
そして現在開催中のG1も、
何でXXXXが出て○○が出場しないだ?
メインかと思ったらセミ前だった。
というよう選手過多と言っても過言ではない状況になっている。
つまりヒットコンテンツが作れる会社ということを示している。
またIP企業として新日本プロレスの売上高は49億。従業員数は平成30年7月時点で74名だ。
1人当たりの売上高は6600万と非製造業にしては高い部類に入る。
これも労働生産性が高い、つまり効率的に働けている健全な企業であるということを示している。
では、次に企業としての将来性と市場としての将来性を考えよう。
今の新日本プロレスはオカダ・カズチカ選手という絶対的スターがいる。
オカダ選手ならばあと、5年、10年近くトップレスラーを走れるだろう。
次に日本人のスター候補はいるか?
川人拓来、岡倫之、海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也と続々若い選手が頭角を現し始めているのだ。
だが、問題なのは日本人というところだ。
いいですか?企業は現状維持ではダメです。常に成長が求められます。
新日本プロレスがさらに成長するためには何をしなければいけないか?
そう、海外のファンを取り込まなければなりません。
日本の人口は1.2億人。
アメリカの人口は3.2億人。
EU加盟国の総人口は5億人
アメリカやヨーロッパ諸国のファンを獲得するのが至上命題。
日本のプロレス市場が成熟している、だからこそ海外でファンを増やさなければならないのだ。
日本人で海外に勝負するのはダメなのか?
ダメなのではないですが、体格、そして何より言葉の壁が大きい。
内藤選手も「これからは英語が出来なければならない」と言ったが、そういった意味が込められているのだ。
-
内藤哲也が「これからはレスラーに”英語”が必要」と発言。ファンも英語が必要なのか?
週刊プロレスの隔週連載「内藤哲也の手のひら返しdeあっせんなよ」はご存知だろうか? 隔週で内藤選手と週刊プロレス記者が、 ...
続きを見る
企業とはどうあるべきか?
なぜ新日本プロレスが海外興行を増やしているのか?
理解してもらえたら幸いだ。
”生え抜き”、”外国人レスラー”、”20代”のスーパースターをファンに提供
では、魅力的な選手という点に話を戻そう。
前述で説明した通り、魅力的なレスラーの育成、引き抜き、スポット参戦などは新日本プロレスは提供できる。
ただ1つだけ出来ていないことがある。
それは"生え抜き"の”外国人レスラー”で”20代”のスーパースターを提供するということだ。
過去にオカダ選手は24歳という若さでIWGPヘビー級王座になり一気にスーパースターへと駆け上がった。
そう、企業として日本人のスターを20代で提供する"成功モデル"が完成しており、"ノウハウ"化している。
少々残念な話をする。
仮にオカダ選手が一線を退いたとしても、オカダ選手の成功モデル、ノウハウになぞって次のスターが生むことが出来るということだ。
この成功モデルこそが、企業・団体の価値なのだ。
今、新日本プロレスがやらなければならないことは、海外戦略そして海外戦略を引っ張ってくれる選手の育成。
何より、外国人選手で20代のスーパースターを作る”成功モデル”、"ノウハウ"を作る必要がある。
ジェイ好きとしてはこの言葉は使いたくないが、分かりやすくいうと、外国人版のオカダ・カズチカを提供する"成功モデル"、”ノウハウ”が必要なのだ。
だから今、ジェイ・ホワイトなのだ。
プロレスも上手い、身長もあり顔もカッコいい、そして何より若い。
ジェイ・ホワイトこそ新日本プロレスが海外で成功するための救世主になるプロレスラーなのだ。