連日連夜に公式戦が行われているワールドタッグリーグも後半戦に差し掛かろうとしている。
過酷な1リーグで毎試合となるわけで、ある筋の話によるとG1以上に過酷なツアーということだ。
2連覇中のEVIL・SANADA組が無傷で連勝街道を突っ走っているが、6勝1敗と首位にぴったり着いていっているチームがある。
それは石井・YOSHI-HASHI組である。
9月15日の鹿児島大会で見せた勢いそのままにワールドタッグリーグでも突っ走っているのだ。
試合内容についてはいうまでもなく、さすが名勝負製造機なのだが、バックステージコメントでもさえわたっている。
普段はノーコメントで無骨なファイトが売りの石井選手なのだが、今シリーズはコメントにも注目したい。
「プロレスが古いくて進化していない」「芸能人やってろ。」
名古屋大会で戦ったテンコジに対してのコメントを紹介しよう。
石井「テンコジ、あいつら組んで何年だ? 20年? 今日の敗因わかるか、あいつら? わかんねえだろな。わかってたら、勝ってるもんな。教えてやるよ。お前ら、20年前と変わんねーんだよ。試合が一緒なんだよ。進化してねーんだ。わかるか? お前らな、1年でも長くプロレスやりてぇならよ、それから、また新日本の中心に戻りてぇならよ、今のプロレスを勉強しろ。今のプロレス、研究しろ。今のままじゃ、勝てるわけねーだろ」
出典:新日本プロレス
名古屋大会は会場に見行ったが、この日のベストバウトは石井・YOSHI-HASHI組vsテンコジだった。
全盛期のパフォーマンスから落ちたとはいえ、小島選手のラリアットは強烈なのは間違いし、天山選手のモンゴリアチョップの一体感は外にない。
テンコジのタッグはまだまだイケるということを十二分に証明した試合だったのは間違い。
ただそれも石井・YOSHI-HASHI組があってこそのベストバウトなのは事実であり、他の出場中のタッグチームであの爆発が出来たかというと厳しいものがある。
次に石川大会での真壁・本間組に対するコメントだ。
石井「もうあいつら、俺らと違うとこにいんな。相手にならねえ。まあ2人とも、芸能界で頑張ってくれ」
出典:新日本プロレス
なんとも手厳しいコメントである。たまにしか口を開かない漢がコメントを残すとグサりと真理を突いてくる。
やはり今の真壁・本間組は2016年にタッグリーグを優勝した時の勢いはない。
どちらが悪いというわけではないが、やはりトップ戦線でG1に出場する選手とベルトに絡む選手との違いだろう。
そこはタッグだからお互いが穴を埋め合えば良いのではないか?となるが、組む機会自体が減少しており悪循環に陥っている。
ベテラン勢の壁になるのか?
実は2019年のニュージャパンカップの永田戦でもベテラン勢に対する叱咤をする場面があったのだ。
石井「言ったろ? 言ったよな。自分でジジイとか年寄りとか言ってる野郎には負けねえって。老けたかどうか知らしめる? 体力が低下したから一線退いたわけじゃねえ? 50代でIWGPチャンピオン? ふざけんな! 笑かすな! そのためになんかやったのか、あいつは? なんもやってねえだろう。なんか行動したか? 何もしてねえだろう。なんかアピールしたか? おい、現状に満足してねえんなら、なんで打って出ねえんだよ。チャンスなんかよ、待ってたって来るわけねえだろう。そんな野郎には負けねえつってんだ。俺はよ、あいつみてえによ、自ら『G1』辞退したり、後輩に道を譲ったりしねえからな。そうなったら終わりだ。気持ちが負けてんだ。口でどうのこうの言ったって、気持ちで負けてんだよ。そんな野郎には負けない。でも永田、てめえ50だろ? 50だよな? まだ遅くねえ。もう一回気持ち入れかえて俺んところに来いよ。もう一回胸貸してやる。永田に言っとけよ。43のグリーンボーイからのメッセージって」
出典:新日本プロレス
石井選手自身も40歳を超えてベテランの域に達しているが自らをグリーンボーイ(新人)とコメントしている。
それだけ石井選手自身がまだまだ伸びるということだろう。体力的にも精神的にも自信があることがだろう。
正直に過去の経歴という意味では、第3世代と石井選手では雲泥の差がある。
経歴がなくともインディー団体からのし上がり、トップ戦線でベルトに絡み、G1に出場し続けているのが石井智弘というプロレスラーなのだ。
それだけ石井選手には他の選手にはない魅力があるということだ。
石井本人は”昭和”のプロレスやってるつもりがない。プロレスは奥が深い
石井選手は今なお新日本プロレスのトップ戦線をひた走っている。それは何のか?
ゴツゴツしたTHE昭和のプロレスがオンリーワンだからという意見が散見出来るが石井選手本人は違うようだ。
石井「お前ら、20年前と変わんねーんだよ。試合が一緒なんだよ。進化してねーんだ。わかるか? 」
変化しないことでオンリーワンの存在になった選手が石井智弘だと思ったが違った。
石井選手曰く、自身のプロレスを進化させているとのことだ。
私は20年前のプロレスは見ていないし、もちろんここ数年のその変化に気付けなかった。
誰よりも昭和のプロレスをやっていると思っていたが違うのである。気づけなかったことは素直に悔しい。
ただ、まだまだプロレスは奥深く楽しめるものだと再認識させられてしまったキッカケになったのだ。