11.27 ワールドタッグリーグ静岡大会でドラマが起こった。
それはメインイベントのEVIL・SANADA vs 矢野・カバナ組の試合だ。
私はこの矢野・カバナ組のメインイベントを見るためだけに静岡大会に急遽参戦することにした。
それだけこのカードが楽しみだったし、サプライズが起こるならここしかないと思っていた。
EVIL・SANADAの連勝をストップ。静岡をダークネスに染められるず
6連勝で優勝街道突っ走る2017年、2018年の覇者EVIL・SANADA組がまさかの連勝ストップしたのだ。
連勝を止めるなら矢野・カバナ組だろうと予想していたがこれほど読み通りになると気持ちいいものはない。
個人的に今回はワールドタッグリーグは全会場カバナ推しで参戦しており、現在の成績で優勝候補のEVIL・SANADA、G.o.Dに破るなど金星を上げている。
台風の目となりつつある矢野・カバナ組の活躍を残り7戦、大いに期待したい。
試合内容にも触れておこう。
特に好きなのはカバナ選手とSANADA選手のクラシカルな戦いだ。お互いにバックや関節を取り合いながら丁寧な攻防を繰り広げていく。
ただその中にもカバナ選手独特の笑いやSANADA選手の細かいテクニックを垣間見えて、二人にしかできないプロレスを見せてくれた。
SANADA選手の言葉を借りるなら「頭から落とすだけがプロレスじゃない」だろう。
来年のHONOR RISING(ROHとの合同興行)やニュージャパンカップでのシングル対決、こちらを期待している。
話は変わるがEVIL選手に所縁があるだろう静岡のメインイベントでいつ勝利して、ダークネスに染めるのか...
G1 Climax29でも静岡で負けてしまったので次こそはマイクで締めてほしいのである。こちらはまたの楽しみに取っておきたい。
まさにWrestling Dreams
静岡のメインイベントはまさに「Wrestling Dreams」だ。「Wrestling Dreams」について少々説明させてほしい。
Wrestling Dreamsとはカバナ選手が書いた絵本である。
内容をざっくり説明すると、
- プロレス大好きなカバナ少年
- 近所の人たちはカバナ少年のプロレス好きを良く思っていない
- ただ母はカバナを励ます
- そして友人ショーンとマーティ共にプロレスのために頑張る
- 友人と共に興行を企画して成功させる
である。
そして主たるメッセージは、「Who's in your corner?(誰があなたの味方か?)」である。
自分の夢を否定する人たちはいるかもだけど、自分コーナー(味方)になる人はいる。
だから夢は捨てずに情熱をささげよう。という解釈の素敵な絵本である。
調べてみたが洋書であり翻訳版は出版されていないようだ。
ただ英語圏の未就学児向けほどの内容だし、中学生程度の英語力があれば辞書を引きながら読むことは可能だ。
気になる方は読んで欲しい。
ちなみに本のジャンルはフィクションとなっているが、カバナ選手の幼少期の体験がエッセンスとしてし入っているのだろう。
あとがきにも、子供のころプロレスラーになりたい思ったことで周りの事が変わったと綴っている。
本人に会う機会があれば確認してみたい。
言葉・文化・国境も関係ない、平和的で誰も傷付けない、楽しいプロレス
なぜ私がカバナ選手のプロレスが好きなのか?プロレスラーとして好きなのか?
カバナ選手は言葉・文化・国境を越えて誰も傷つけない平和的だけど楽しいプロレスだからである。
プロレスの特性上ベビーファイスとヒールの関係は切っても切れないし、それが対立を生むことになる。
カバナ選手は20年間のレスリングキャリアでたどり着いた境地なのだろう。
オカダ選手や棚橋選手のように団体のトップレスラーとして華やかなキャリアを進んだわけでなはない。
コミカルなプロレスはもちろんだが、キャリアやバックグランドとプロレス(仕事)に対する姿勢に私は心を奪われている。
最後に仕事などでうまくいかない人に対してパワーを貰えるカバナさんからメッセージを共有しておきたい。
カバナ「(※顔を紅潮させ、興奮した表情で)オオ! オオ! こんなことになるなんて、全く予想してなかったよ! 俺の20年以上のプロレス・キャリアの中で、この『NEW JAPAN CUP』に出られたというだけで満足してるような状態だったんだ。どうしてこのタイミングで参戦が決まったのか、デビッド・フィンレーの急な欠場で穴が空いたのか、でも俺が入れたというだけで、大きな期待はしてなかったんだ。だが今回、ここまで来ることができた。20年以上の長いキャリアの中で、こんなハイライトと言えるような出来事はなかなかないよ! 真壁を倒して2回戦に進出できただけでもうれしかったのに、そこで矢野を破って準々決勝に進むことができた。本当にすごいことだ! 20年というキャリアが、たった一夜のお祭りで終わってしまわないようにしなきゃな!(※たびたび言葉に詰まり、泣きそうな表情になりながら)歌手であっても詩人であっても、アーティスト、ビジネスマン、どんな人にも言えることだが、同じことを長く続けていると、自分自身が信じてきた才能や能力をだんだん忘れてしまって、ただただ惰性で続けるようになってしまうことが多い。今回、長くやってきて、俺がずっと信じてきた本能のようなものが、今日、矢野への勝利を実現させてくれたんだと思う。次、鈴木とSANADA、どっちが勝ち進んでも、対戦するのは怖いよ。でも今、俺にはいい流れが来てる。今日、ファンが俺の名前をコールしてくれたのも聞こえた。俺が特別な存在なのかどうかは分からない。でもマジソン・スクエア・ガーデンで試合ができることになったら最高だし、とにかく今日は最高の1日だった! (※頭を下げて、日本語で)アリガトウゴザイマス!」
出典:新日本プロレス