G1 Climax29 8.8 横浜大会、鷹木信悟 vs 石井智弘。
注目は何と言っても、NEVER無差別級王者の石井選手に対して、無差別級としてG1 Climaxに出場した鷹木選手がだろう。
試合をまだ見ていない人は必ず新日本プロレスワールドで観よう。
これぞ石井智弘、これぞ鷹木信悟な試合内容、そして最後は感動のマイクパフォーマンスだった。
さて、G1 Climax29も公式戦は残り1試合という状況、なぜこの2人がメインイベントなのか?と少々疑問に思った。
ジェイvsジュースや後藤vsモクスリーの方が星取表を考慮すると、これらの方がメインイベントにふさわしい。
それこそ過去の記事で書いた通り、セミ降格問題が発生している。
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だが試合を観て、何を伝えたいのかハッキリと理解した。
そして内藤選手が「鷹木選手を連れてきたことは想像以上」と言ったり理由が分かったのだ。
今日は「想像以上」と言った理由について書きたいと思う。
誰と試合しても高クオリティ。そして相手の良さを引き出してしまう。
ファンなら気づいているが鷹木選手は誰と試合をしても面白い。
BOSJのSHO選手、ドラコン・リー選手、金丸選手、そして優勝決定戦のオスプレイ選手。
そして優勝決定戦を除いてだが、すべて勝ってハッピーエンドをプレゼントしてくれる。
何よりファンが望む、いやファンが望む以上の試合を連発してきたのだ。
また、G1では負けた試合でもファンを唸らせる。
公式戦でジュース選手やジェフ・コブ選手には敗けはしたものの相手選手の良さを全部引きだした。
これが内藤選手が連れてきてよかったという理由の一つだ。
ただ、これが「想像以上」というだろうか?
謙虚と傲慢のバランスが絶妙。ファンが応援したくなる選手像を体現している
次にあげられるのが謙虚と傲慢のバランスも鷹木選手の魅力という点だ。
日本人を相手にこのバランスを間違ってしまうと、それこそ内藤選手のブーイング期のような惨事になってしまう。
謙虚に発言を控えていたら「もっとアピールしろ!」と言われる。
今度は傲慢にべらべらと相手を挑発すると、「相手を敬え!慎め!」と罵られる。
このバランス感覚といか大変かわかるだろう。
しかし鷹木選手はこのバランスが絶妙で日本人が好み、そうファンが応援したくなる選手像そのものなのだ。
勝った時は相手に対して「なんて強いやつだ、ギリギリだった」と言ったように謙虚な姿勢を忘れない。
鷹木「新日本プロレス、そして『G1 CLIMAX』強烈すぎるぞ、おい。本当、強烈すぎるぞ。それから石井智宏、なんだあのオッサンは、おい! 不死身か、あいつ。ちょっとボコボコにされすぎて、わけわかんねえよ。わけわかんねえけど! 今こうしてマイクを握っているということは横浜ー!(大歓声)。今のメインイベント、間違いなく俺が勝ったよな、おい!」
参考:新日本プロレス
負けた時も「試合をありがとう、でも次は負けない」とリスペクトしつつも次は勝つと傲慢さをアピール
鷹木「(※コメントスペースにたどり着くと、片ヒザを着いて)今日の対戦が決まったとき、俺はうれしかったよ。だけど今日、試合して思った。それ以上に、今はうれしいぜ。まあ、言っちゃあなんだが内藤は、キャラクターや人気が先行してるから、“リング上はどうなんだ?”って俺も組みながら思ってたんだけどよ、あの野郎、やっぱスゲェじゃねぇか。間違いなくつえぇよ。さすが、内藤哲也。だがこれで、(※ゆっくり立ち上がりながら)今日が終着点じゃねぇな。浜口道場(アニマル浜口ジム)の頃から、切磋琢磨してたが、改めて、オイ言うぞ、内藤哲也、別にこれは宣戦布告じゃないが、確実に、俺とお前の、今日がスタートだ。やられたままじゃ、絶対に気が済まんからな、俺が。それから、俺の夏を今日で終わらせる? ふざけんな。俺は残り、横浜(8.8)と武道館(8.11)、2試合残ってんだ。ただの1試合すら、消化試合はねえ。全力で、鷹木信悟、ぶつかるだけだ」
参考:新日本プロレス
勝っても負けてもと我々ファンの心を揺さぶる、それこそが鷹木信悟のメッセージ。
プロレスの内容もさることながら、滲み出る人の良さとバランス感覚こそが理由の二つ目だ。
だが、待ってほしい。
こんな当たり障りないことでは当ブログらしくない。
それこそ想像以上か?
私の考える「想像以上」と言ったり理由について書かせてほしい。
石井のようにハード&タフネスな試合が出来るレスラーこそ海外戦略には必要。これが出来るのが鷹木信悟
今日の試合を観たら、鷹木選手は石井選手のようにハード&タフネスな試合が出来るレスラーであることがわかる。
これこそが内藤選手が来てくれて良かった、そして「想像以上」と言った理由だろう。
内藤選手ほど選手ならば、今新日本プロレスに足りていて、今何が足りないか?が把握できている。
そして次に団体が向かうべき先には、何が必要か?という点も理解していると思う。
では今、団体が向かうべき先はどこか?
そう、海外ファンの獲得だ。
これを解説していこう。
なぜ石井選手のような真っ向勝負、意地のぶつかり合いが必要なのか?
私はアメリカン・エアラインズ・センター現地で、海外の生の声援を聞いてきた。
7.6 ダラス大会のG1公式戦ではない選手の中で最も声援を集めていた選手が三人いる。
内藤哲也
獣神サンダーライガー
そして石井智宏だ。
海外での石井選手人気非常に高い。8.8 横浜文化会館の会場でも海外ファンが来ており石井選手を応援していたのだ。
彼らになぜ石井選手が好きなの?と聞くと、「石井選手のような試合は新日本プロレスでしか見れない」という。
そう、海外のハードなプロレスファンを取り込むのに必要なレスラーとは、石井選手のような真っ向勝負、意地のぶつかり合いが出来る選手なのだ。
さて、鷹木選手の話を戻そう。
そんな石井選手と誰を戦わせる?
正統なライバルは誰になるのか?
昔は田中将斗選手がいたし、ちょっと前は柴田勝頼選手もいた。
だが今、石井選手と同属性のレスラーは多くはいないのだ、ただ一人を除いて。
それはつまり、感情を100%ぶつけてくるハード&タフネスなレスラーは鷹木信悟しかいないのだ。
海外で戦う上で石井選手の存在も必要不可欠である以上ライバルを立てるのが筋。
内藤選手やジェイ選手はスカすタイプのレスラーであるためライバルになりにくい。
また同門のオカダ選手はもっと考えられないとなるとやっぱり鷹木選手なのだ。
これこそが内藤選手が「想像以上」と言ったのは「鷹木選手が海外で通用する」という点が想像を超えていたのだと考えている。
新日本のプロレスでしか観れないプロレス、それこれメイド・イン・ジャパンを魅せれる鷹木選手も海外戦略に必要なのだ。